籍は入れる?それとも入れない?

「もう一度、生涯のパートナーを見つけたい」と考え、熟年婚を検討される方が増えています。また仕事に追われる毎日を過ごし、結婚のタイミングを逃したまま50代を迎える方もおられるでしょう。

そのような熟年婚には、20代や30代の新婚とは違う考え方、そして選択肢があります。「籍を入れるか入れないか?」の選択肢も、熟年婚ならではと言えるのではないでしょうか?

籍を入れる?or入れない?

基本的には個人の自由です。相手が籍を入れたがっており、自分がそれを受け入れられるなら入れても良いでしょう。お互いがじっくり話し合い、納得した上で決めるのが一番だと思います。

しかし熟年婚にも様々なケースがあります。たとえば女性の方に息子がいるケースです。すでに成人して独立していても、結婚はまだだとしましょう。そして息子が結婚相手を見つけてくるのですが、「息子と母親で苗字が違う」はどう思うでしょうか?「気にしません」という方もおられるでしょうが、息子の結婚相手の両親は良く思わないかもしれません。

その場合は、「息子が結婚するまでは籍を入れない」という選択肢も検討しておきましょう。また「籍を入れる=苗字が変わる」は、女性が男性の名字を名乗るだけではありません。逆のケースもあるため、男性側に息子がいる場合もちゃんと話し合った方が良さそうです。

一方、「子供は娘であり、すでに結婚している(娘の名字がすでに変わっている)」というケースでは事情が異なります。この場合は何も気にせず、籍を入れても良いかもしれません。

籍を入れない時の注意点

二人で話し合い、「籍は入れない」と決めたとしましょう。この時の注意点としては、「たとえ長く同居していても、籍を入れていなければ相続権は生まれない」という点です。民法で決まっていることなので、たとえ長く同居しても、たとえ病気のお世話をしたとしても、相続権は生まれないと考えてください。したがって「自分が死んだらこの人にも財産を」と考えるなら、やはり籍を入れた方が賢明です。

しかし、籍を入れていなくても相続権が発生するケースもあります。たとえば「遺言」です。被相続人は、自分の財産をどう処分するか遺言で決めることが出来ます。したがって相手が遺言を作成してくれたなら、籍を入れていなくても財産分与を受けることが可能です。ただし、遺留分を超えない範囲となります(遺留分:正当な相続人が最低限相続できる財産割合)。

相手の家族と話し合う

熟年婚においては、「相手の家族と相続でもめる」というトラブルがよくあります。たしかに、相手の家族からすれば面白くない話でしょう。いきなりやってきた新しい家族に財産を持っていかれるのですから。

したがって、籍を入れるor入れないに関係なく、相手の家族と相続については生前に話し合っておくことが大切です。この時はもちろん、夫が主導して話を進めてください(妻の財産が大きい場合は逆)。生前に話し合いをして、全員が納得していれば、どちらかが死んだ後に揉める可能性は低くなります。

いかがでしょうか?冒頭で紹介した通り、基本的には「籍を入れるor入れないは個人の自由」と言えます。しかし子供のこと、また相続のことなどもしっかり考え、自分たちの事情ではどちらが良いかを話し合っておきましょう。